矢車通り~オリジナル小説~

はてなダイアリーから移行させました。

2001-08-01から1ヶ月間の記事一覧

頼れない夫

「お茶もないのかい?」姑の古橋かなえが口を尖らせた。甲高い姑の声が、笹井しぐれの耳につく。 「いつも言ってるだろう。私の好きなお茶を切らすなって」しぐれはうつむいて、姑から表情が見えなくなるようにした。(一ヶ月に一度来るかく来ないかの客に合…