矢車通り~オリジナル小説~

はてなダイアリーから移行させました。

2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

お買い物

買い物にいった。いろんなものを売っていた。 材木から子猫まであった。蚊帳までつってある。しかしふと疑問がわく。こんなに沢山の品物を揃えて、売れるのか。 まあ、余計なお世話か。売れる見込みがあってのことだろう。 資本主義の世の中に抵抗したって馬…

案山子の一人ごと

俺は案山子 黄金色の穂波をすずめ達から守っている。 しかし、報われない仕事だなあ。 いくら一生懸命仕事をしたって最後はボロ布のように捨てられてしまう。 人間達の勝手さは昔から変わらないが、最近の横暴さは目に余る。 科学の力を過信して自然を操る気…

秋刀魚の季節

ドラねこが隣のオカズを狙っている。秋だなあ。 柿も真っ赤に色付いて真っ青な空をバックに輝く。 百舌が枯れ枝だけたたましく鳴いている。 枯葉がわら屋根にはらはらと散っている。 おばあさんが縁側で背中まるく居眠りしている。 過去の思い出はみんな懐か…

見ればわかるのに(7枚)

カラオケボックスの個室には流行りの曲が控えめに流れていた。長谷川はソファの上にあぐらをかいて、ネクタイを緩めた。届いたばかりのチューハイに手を伸ばし、手の先にチラッと視線を送る。はす向かいに座る福田が縮こまってうつむいていた。 福田のミスは…