13 それは二月の半ばのことだった。 朝のトーストとコーヒーを食べていると、突然、純子がトイレに駆け込んだ。後ろから声をかけると、ものすごい勢いで戻していた。僕まで気分が悪くなりそうだった。 それが最初で、純子の吐き気は、二日経っても三日経っ…
12 十二月に入った。 僕は重要な誤算に気がついた。卒業論文が間に合わないのだ。冬休みに入る直前が提出期限だというのに、まだ、半分も終っていなかった。準備自体は三年生の終りから始まっている。ここに来て間に合わないのは、単純に作業量を甘くみて…
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