ここまで来たかと三太夫は深編笠を持ち上げて、辺りを睥睨した。 「富士山はやっぱり大きいねえ」 お雪も側で溜息をついた。だが善介は担がされた荷駄の重みにそれどころではない。 「ちっ、駿河の国で富士が見えるのは当たり前さあね」 善介の愚痴をしり目…
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