矢車通り~オリジナル小説~

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2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

稲妻お雪 弐の六

かなり急な石段を喘ぎながら登って行くと、堅牢な山門が見えてきた。二人の法師頭巾が手持無沙汰の様子で、薙刀を担いでこっちを睨んでいる。 「何者じゃ」 片方の弁慶を思わせる巨漢が誰何した。 「へい、越後から来た商人でごぜえやす。今日は娘の出物が有…