矢車通り~オリジナル小説~

はてなダイアリーから移行させました。

掌編

聖夜の宴

神様 何ゆえ私をお選びになったのでございます。 まだ愛の喜びを知らぬ処女に陣痛の痛みだけ味合わせるなんてひどい。 嘘をつけ。いくら全能の神でも、精子が膣を越えて子宮に入らんと懐妊はさせられんわい。 マリア、何処で誰と悪戯をした。 きりきり白状に…

月の砂漠

漆黒の空に青い地球がぽっかり浮かんでいる。 夢にしてはリアルすぎる。 空気がないのに生きている。 背広を脱いで肩にかけ、静かの海をトボトボと歩いている。 なぜ俺はこんな所にいる。 向こうからローバーが埃を巻き上げて走ってくる。 おーいと俺は手を…

乱れ髪

貞子さん 貴女は何時まで井戸の中に居て、時々テレビの画面からはい出して、人を呪い殺す気なんです。 いい加減に諦めて、成仏したらどう。 「余計なお世話だよ。あたしが成仏しちまったら三文作家の木乃伊が出来る。それに映画会社が困るだろ。これでも随分…

女の港

霧に咽んで霧笛を聞けば、あの人待ってる私は馬鹿ね 今に今にと六百光年 今じゃすっかり錆付くガントリイー 船は何処ぞで沈んだか ガミラス軍の攻撃受けて ヤマトに乗り込むセーラーマン 彼の姿が宇宙「そら」に浮かぶ 幻見るよじゃ永くはないな 松本零士氏…

ウィルスと対決

髭は伸び放題 恰も関羽の如し タミフルのお蔭か夜中に幻をみる オバマと鳩山がプーチンの行司で相撲をとって御座る これはいかん 仕分作業に小泉が火事装束で采配を振るって御座る 世も末じゃー

時雨の鳶

冷たい雨に濡れて、鳶の夫婦が電柱の上から冷笑していらあ。 馬鹿が時雨の中をビニールの合羽を着て、車椅子でさんぽしていらあと。 だって身障者には時間と援護法の制約があるんだもん。 厚生労働省の糞ったれー。

野分けの頃

湿った空気が絡み付く 葦原を盗賊が走る 小脇に赤いものを抱えている 女だ それもまだうら若い どこぞの大臣の姫か 突然目の前に鬼が大手を広げて立塞がった 盗賊は野太刀を振るって立ち向かった 数合渡り合ったが鬼に適う筈がない 頭からバリバリと食われて…

蝙蝠の嘆き

イッソプは呑気に俺達を二股膏薬と断じてくれたが、本当のことは分っちゃいない 俺達は暗い洞窟の天井にぶら下がって何を想っているか はたして何のために苦労して餌を取り雌とつるんで子を作る つまり俺達の生きる目的だ

スランプ

歳のせいかこの頃閃かない。 嗚呼もどかしい。 書きたい気持ちはあるのだが、ちっとも文章が出てこない。 辛いなあ。 芥川や太宰や三島の気持ちが分かったよ。 おっと川端を忘れちゃあ怒られれそうだ。 とか何とか大文豪を気取ってみても、俺はなんぼのもん…

刺客

どうして女の刺客が多いの。 あ、そうか。 えもの(武器)をj隠すところを沢山もっているからか。 スカートを踏まれたおばさんのリベンジも成ったし、怖いね。 本当に壊しちゃったね。小泉さん。 これからどうするの。

戦争

なぜ世界から戦争がなくならないか。 答えは簡単。 儲かる奴いるからだ。 兵器や武器を売ってね。

栗の実

あおい栗のいが。 まるで生意気な悪ガキが見下ろして「やーい。お前は歩けないんだ」 とはやし立てているようになっていた。 散歩に出るいつも思う僻み根性だ。 いやな性格だ。 嗚呼おれの自己嫌悪。

私綺麗

と女は聞いた 髪を切ったという さあ事だ 今夜あたりお宮の大木に上役の藁人形が五寸釘で打ちつけられて阿波踊りを踊っているだろう これはフィクションです

向日葵の途惑い

今年はわたし困るんだあ。 何故ってお日様出ないからどっちに向いて咲いたらいいの

花泥棒

散歩に行った 途中大きな木の下に売り墓が苔生していた そのわきに桔梗の花が蔓にまかれ咲いていた 一輪たおってもって帰りコップにいけた やはり野におけ蓮華草。 翌朝見るとコップの中で蕾と一緒に萎れていた。 やっぱり花泥棒はするものじゃあない。

蛍の恋

甘い光で誘っても彼女は俺を無視してる 何故俺を振り向かぬ 神秘の光はないもんか 金の力で力づく 彼女をさらうヤッピーをとうのける 神秘の杖を貸しとくれ 何何 貸してやるけど何ポンド 催促するのはハリー・ポッター お前もメルヘン忘れたか

幽霊

そろそろあたしの季節 この業界じゃあ女王と言われたお岩 でも近頃新参者のお貞子に人気を浚われて出番が無い うらめしやー

悪党

この世で一番悪い奴は誰。 国会議員・官僚・検事・弁護士 オバマ・ビンラディン・将軍さま・GМの社長 いいや、違うね。 それはヒトのdna

暑い

熱いアイス 厚いパンフレット 暑い南極 アツい冷戦 暑いお化け 暑くて脳味噌が解けそう

お菓子

むすめはいった お菓子を頂戴 甘くてほっぺが落ちしそうな 男はいった あげるよ 代わりになにくれる あげるよ 甘い蜜のキス 男はそのまま解けちゃった 後に残るは栗饅頭 割れて中から轆轤首 不条理賛歌より

恋の不毛

嗚呼 生まれた時代が悪いのか それとも俺が悪いのか コンカツしなけりゃ女が出来ぬ 不毛の東京雨が降る 深刻ぶってもらちあかぬ

ダークマター

深淵の宇宙 その奥底に潜む力 神秘の力 その力が無いと銀河も存在できないという だが待てよ 本当にビックバンはあったのか ビックククランチなんてあるのか 疑わしい 時に終焉があるなんて じゃあそのあとはどうんるんだ 弥勒さんでも分からないか

雨が降ってきた エイリアンは思う テラの雨は静かだと われらの星はこんなもんじゃあない 硫酸を頭上からバケツをひっくり返したようにあびせられてはたまったもんじゃあない 本当にテラは好い所 紫陽花の上で大きな殻を背負ったエイリアンは実感する その殻…

遠い星

永遠に着かない星に飛ぶ船を火の鳥だけは見守り逝く その星は大気はメタン住人は(ひと)守銭奴 青い星着来て落胆名前はテラ(地球) ジュラ期には威厳にみちた主たち滅びて今は哀しき星なり

毬藻の唄

水底にひっそり沈みし毬藻よ憐れ 誰も見ず 独り孤独な夢を見る 永久に星を知ることもなく 音痴の鮒の詩吟を聞いて 恰もそれが天使のソネットと思っている 嗚呼 毬藻は不幸なの それとも幸せなの

林檎

赤い林檎は大嫌い 青い林檎も大嫌い 月の夜半に公園で火照った身体を覚ましてたらそんな言葉が脳裏を過る 今夜の客は醜男ばかり 商売だから仕方がないがなんで値に寄って来る ピエロの方がまだ増しだ 含んだ林檎を吐き吐き思う

俗人

花を見ても天麩羅しか想像しない奴がいる 俗人と云う 俺もその一人だ 太宰は月見草が似合うと云った 気障な野郎だ 俺は富士山を見ると何故かトンカツと合鴨が頭を過る まあそれが俗人の特権だろう

顔は嫌いだ 自分の顔を見ると嫌悪を感じる エレベーターの鏡に映る顔 どうゆう訳か 分からない 答えはどれだ 不条理だ 朝起きてみると虫になった男が羨ましい 虫は自分の顔を意識しない 意識 そうだ 顔こそ意識の源だ テロ・暗殺・貧困・自殺・殺人 極め付き…

無題

素麺を啜りつつコロンボを見る 六十路の坂を切実に感ず 時代劇 女優の顔に我の歳重ねる 精神年齢 十五と云われ複雑な気持ち 好奇心だけ旺盛なれば浪費家と云われ 苦笑するより仕方無し 愚痴多くなれば我の刀で両断したき心

続 注意人物

プレデターは、その醜い顔を益々歪めて俺を見ている。 俺はニヤリとほくそ笑んだ。 船の窓から青い地球がゆっくり廻っている。 胸糞が悪い。 地球に比べれば、人はヴィールスだ。 増えすぎ環境を汚し、貧困を増やし、格差を贈位させている。 こんな地球は破…