矢車通り~オリジナル小説~

はてなダイアリーから移行させました。

遅い桜

貴女は何処にいる。 可憐なピンクのドレスで笑いながら、手を振って待ち合わせの喫茶にやって来ていた。 でも今年は来ない。 何故って。それはずっと前車にはねられて死んだから。 墓のそばに植えた桜の開くのが今年は遅い。

エリア51

UFOなる物を隠しているそうな。 ほんまかいな。 都市伝説の類じゃあないの。 聖林の作ったね。 本当ならこの宇宙で人間は孤独じゃあない分けだけど、グりゴン星人や、デスラ―総統と戦うのもウザったい話だよね。 あっ、いけねえ。向こうの教科書ビルにオ…

猫2

又出て来たぞ。さぞ五月蠅い猫だろう。 さりながら吾輩に黙っていられない、馬鹿馬鹿しい世の中よのう。 まるで大阪のボンボンみたいな顔をした市長が、維新を起こすと有象無象を集めて騒いでおる。 あれで維新をやられてたまるものか。 どんな妙な世になる…

四月四日

嗚呼、デカダンなりき。 モノホンの女より見た目は綺麗な化け物が跳梁し、世を惑わすとは誠に嘆かわしき次第なり。

石仏

庭に親父が山から抱いて戻った石の観音が鎮座している。 裸ではもったいないと近頃祠をつくった。 山に何百年も埋もれれていて、急に日の目を見たのだ。 現代の世相をどう見ておられかな。 人間の堕落を嘆いておらられるか。 それとも昔とあんまり変わってい…

嗚呼、自己嫌悪

まったくしょうのないオタクで嫌になる。 骨董や刀にナイフを見ると欲しくてしょうがなくなる。 何故こんなオタクになったのか。 と、よくよく考えててみた。 ひとつは子供の時、欲しかった玩具が中々買って貰えなかったトラウマ。 あの頃はお金も物もなかっ…

吾輩は平成の猫である。 勿論バルチック艦隊は知らない。 その代わりイージス艦は知っている。 人間の愚かさは明治の先祖が、散々罵っているので今更繰り返す気はない。 その代わり人間とは別の種族の出来た事をお知らせしよう。 その名は小ギャル、これが明…

久米の仙人

娘っ子の脛を見て空から落ったと、笑い者になったが俺は後悔はしていねえ。 男と生れて女に興味が無えのは、影間に違えねえ。 大体ホモとかレズなんて非生産的な奴等に大きな顔をされている、二十一世紀のスタンダードが狂っているのだ。 人口爆発を押さえる…

俳劇

時は夜 季節は夏 舞台には苔むした石垣に囲まれた池 芭蕉登場 扇子を使いながらしばし名目 其処へ蛙がのそのそ現れる 蛙は芭蕉の顔をさも胡散臭げに見上げ其の侭池へドボーン 芭蕉は思わず膝を叩いて叫ぶ 出来た― 池の畔の柳の木に苫っていた夜烏がそれを見…

山桜

春は駆け足 いと短しとおぼゆ なれど美しき山桜の精霊を共のうて微か匂う爽やかなる香り放つもいとおかし 光の君などといえる放蕩者をほ表したる かの阿呆の顔に杉の花粉をまき散らし くさめ鼻水などといえる今流行のやまいをうつし おおいに苦しめたき心な…

春の風邪

風邪をひきました。 馬鹿は風邪をひかない。あれは嘘です。 僕がいい証拠です。 昔はカッコントウ、今は抗生物質、点滴は時間がかかります。 何とも色気の無い文章で申し訳ありません。 嗚呼、桜をあと何回見られますかね。

悪い夢

プレデタ―がハン・ソロと酒盛りをしている。 エイリアンやターミネーターまで、漆黒の空間に浮かんで、ゲラゲラ笑っている。 なんじゃ、こりゃ。 ええ一、ついでにハリーポッターの筆下したらどうだ。 あっ、もうすんでる。早熟じゃのう。さすが聖林。

リフト付レンタル車

中国旅行で一番困ったのは車であった。 リフトの無いバンで、いちいち乗り降りにガイドさんと運転手に手伝ってもらった。 旅行社も良い加減なものだ。初めからこちらは障害者と分かっているのにこの対応だ。 まあガイドさんが日本語ペラペラの良い人だったの…

酷い話

昔の中国 戦に敗れた武将が戦車で遁走している。 矢が雨のように追って来る。敵の軍政も迫っている。 馬もだんだん弱ってくる。このままでは首をかかれるのは必定だ。 そこで武将は御者台に乗っていた息子を無情にも突き落としてしまった。 子供は親が生きて…

蘇州の赤いパンツ

運河沿いを参歩していたら、ランニングシャツに赤いパンツという格好の、白髪をアンちゃんがりにした老人がこっち胡散臭そうに睨んでいる。 何しろ車椅子だからね。それがどうしたって。只それだけのことさ。 でもそれが記憶から消えない。何故なのか分らな…

稲妻お雪 弐の六

かなり急な石段を喘ぎながら登って行くと、堅牢な山門が見えてきた。二人の法師頭巾が手持無沙汰の様子で、薙刀を担いでこっちを睨んでいる。 「何者じゃ」 片方の弁慶を思わせる巨漢が誰何した。 「へい、越後から来た商人でごぜえやす。今日は娘の出物が有…

「よみかく分室」 http://www.araki-shin.com/araki/cgi/yomikaku_oth/知る人ぞ知る、新木伸さんの小説練習場です。再開されているのを見て、つい、参加してきちゃいました。とりあえず、週1で千字課題を上げていきたいと思います。 もちろん、もっと書ける…

ネットの企画に参加しました。

1000文字以内(目安)で希望を描き出そう!という企画に参加させていただきました。http://sleepdog.blog53.fc2.com/blog-entry-75.html 私の作品はここです。http://sleepdog.blog53.fc2.com/blog-entry-133.htmlみなさんも、どうぞ、ご参加ください!

雪女

驚いたなあ 色の黒い雪女っているんだね 美人ばかっと思っていた俺がバカだった 日本全体が馬鹿化してるんだから仕方ないか 妖怪神社って何じゃ 神が堕落したのが妖怪と広辞苑にあるではないか それを祀るとは何事じゃとオジサン怒ってるぞ 雪女も妖怪の眷族…

初立ち

六十路を越えて、今年初めて立った 恥ずかしい気持と、まだ捨てたもんじゃないという思いが交錯し、複雑である 若い裸体を見ても、あまりときめかないのも悲しい 嗚呼、何か素敵な事はないか 光速を超えて宇宙の果てまで行って見たい 絶世の美女アンドロイド…

愛の鞭

北風がいった 「俺が吹くのは人間に対する愛の鞭だ」 太陽がいった 「そうかね でも人間はちっとも利口にならないね それより私のぬくもりの方が効果があるよ」 それを聞いた北風はむきになってビュウビュウ吹いた でもやっぱり人間は利口にならなかった しか…

此処は何処だ

辺りを見ても全く覚えがない 荒涼とした光景が何処までも続く 夢の中だろうか? それにしては妙にリアルだ 灰色の地面に大きな岩がゴロゴロと転がっている 地平線までその景色は変わらない 空は漆黒で無数の星がくっきりと輝く スーツ(宇宙服)を脱いだら忽ち…

人生は宇宙の窓

何故俺は生まれる以前の記憶がないのか 死んだ後が分からないのか 死後の世界をとく宗教を信じられない 恐らく生まれる前と同じく無だろう では宇宙とは何なのだろう 人生という窓は何の意味があるのだ

可憐な乙女

最近こんな言葉の当て嵌まる女は絶滅した と思い悲観していたのだが、それは私の偏見だった 週に一度、こんなエロオヤジを風呂に入れてくれるヘルパーさん 19歳だそうだが、懸命にやってくれるのだ 仕事と片付けられない何かがある 男の性で見てはいけない…

エイリアンの嘆き

地球へ来て落胆したよ テクノロジーは相当なものだが、やっている政治は五千年前に尋ねた時とちっとも進歩してない 反体制への弾圧はエスカレートしている とくに中国の政府の自信の無さは目に余る 人口が増え、経済は発展して、日本を追い抜いたのに、やっ…

サンタの愚痴

今年もわしの季節がやって来たのう そろそろ準備をはじめなくてはな でもな わしは仕事が嫌になってきたんじゃよ そうじゃろう 子供等はゲームに夢中 わしを信じなくなってしまった 騒いで居るのは商業主義に毒された大人じゃ 引退してラップランドの洞窟に…

となりの宇宙人

へえ、あの可憐な娘(こ)が宇宙人なの アバターに出てくるみたいに青くないよ わざわざこんな地球みたいな辺境にやって来て、ヘルパーをやるとは物好きだねえ しかも唐司郎みたいなエロオヤジの世話をするとは、博愛主義の見本だね 地球の若者に爪の垢を煎…

初冬の煙

山肌に白煙が立ち昇っている 色褪せた紅葉をおくるように 日の光も弱くなった 嗚呼 たそがれた人生 この先幾許のこっているのか 見上げれば木々の枝にかたい蕾が着いている

木枯らしや ダウンとミトンと車椅子 散歩道 コースを悩む 我にあきれ 自販機の 缶コーヒーで暖をとり 落ち葉ふむ 車輪の音が もの寂し

[日記]小説を載せて宣伝できるサイト

こんにちは。「作家でごはん!」さんのトップページに紹介が載っていたので登録してみました。今一つ使い方がわからないのですが、作品を登録しておくだけで、感想などは他のシステムを使うため、投稿サイト特有の「場の空気」が発生しない場所で感想をもら…