18
純子が死んでから、どうしていたのか、僕は覚えていない。
何日か前に意識がはっきりした。
純子の追悼をするために、廃ビルの屋上に来た。いつか、純子と二人ではまり込んでいた場所に一人で座る。
夜景がきれいだ。
汚いものは闇に隠され、明るく輝く光だけがよく見える。
僕が生きていくためには、純子の尊敬のまなざしが必要だった。
もう、どこにもない。
僕は一人用のテントを張って、中で七輪を焚いた。何日か前に処方してもらった睡眠導入剤を飲む。テントの中で横になる。
明日の朝、目覚めたら、もう一度、純子を捜そう。
目をつむった。
終