「投稿サイトに自分の作品を出す」(その4)
3)小説のウリがどこか書く(その作品のどこが読者の心捉えると思っているのか書いておいてもらえれば、うまくいっているか、はずしているかくらいの見当は書ける……かもしれない)
「ウリ」を書く。ネットでそれをやったら、どれほど厳しいことになるかは、想像にかたくないです。
「自分の作品のこれこれこういうところが『優れている』」と宣言するわけですから。
ですが、場所は投稿サイトです。「つまらないものですが、どうぞ読んでみてください」なんて、日本人ノリの謙遜をしたら、無視されるのがオチじゃないですか? なぜゆえに、わざわざ「つまらないもの」を読まなくてはならないんでしょう。ほかに娯楽はたくさんあるんです。第一、それでは投稿サイトに出して、他人に意見を募る意味がないじゃないですか。
「この作品は、これこれこういうところが面白いんです。読んでください。どう思われたかご意見ください」
たぶん、どの作者さんも、投稿サイトに出すからには、どこかに自信がお有りのはずだし、読んでもらいたいと思っているはずだし、感想たくさんもらいたいと思っているはず、なんです。
だったら、本音を言いましょう。
逆に言えば、自分の作品に良いとこなんかないし、別に読んでもらわなくてもいいし、感想なんていらないし、という態度の作者さんが投稿すると、投稿サイトでは顰蹙を買います。ときどき、わざと顰蹙買って感想数を伸ばしているんじゃないかと疑いたくなるような作者さんもいらっしゃいますが(^_^;。
最初から「どうせ、好意的な感想なんかつかない」なんて、絶望していても良いことはありません。好意的な感想がつかなくてもショックを受けないようにしようという心構えは自尊心を守るためには大事なことですが、自分を守りたい一心で作品の欠点や伸ばし所までも見えなくなっては本末転倒です。
作品というのは、他人に読ませた時点で、自分の物であって、自分の物ではないんです。
作品に手を加えられるのは、作者ただ一人ですが、なんのために手を加えるかと言えば、より多くの人を楽しませるためなんです。投稿サイトに出した作品に感想をもらって、手を加えるとき、自分のためにだけ修正しても意味はありません。より、他人の理解を得られるよう、より、他人の気持ちを動かせるよう、より、他人の気持ちに寄り添えるよう、修正していくために必要なのが、「他人の意見」なのです。
誰になんと言われようと我が道を行く人が投稿サイトを利用しても意味はありません。自分のやり方に絶対の自信がお有りなら、新人賞に応募すればいいし、そうでなくても、インターネットでは各種の小説系イベントがあります。
例えば、アルファポリスさんでは現在「ホラー大賞」をやっています。(詳細をお知りになりたい方はクリックをどうぞ)
いや、自分の目で見ただけでは、他人から見てどう思われるのか読みきれない。
そういう方が投稿サイトに投稿するのに向いています。ただし、ポンっと作品だけ出しても、感想人はどんな感想をどう入れればいいのか、わかりません。だから、方向性が欲しいんです。
感想、たくさん欲しいですね?
そのために、作品を読んでもらいたいですね?
ならば、その作品を読めば、どんな「良いこと」があるのか書きましょう。
と、いっても、プロの作家さんじゃないんですから、実際に商業的な価値があるのかどうかまで考えることはないです。ってーか、それがわかって、書けるんなら、プロになれるんじゃないかなあと思います(^_^;。
そゆのは、デビューした人、または、しそうな人が考えることです。
まずは、投稿サイトに作品を読みに来る、1000人のうちの3人に目を止めてもらえればいい、くらいの気持ちで、軽く書いてみましょう。
私が投稿サイトに「拍手の向こう側」を出したときの「執筆の狙い」です。
「『拍手の向こう側』はhttp://d.hatena.ne.jp/bokoshu/20070224/1172328001に(1)があります。一番下にある>のリンクを押していただければ、次の(2)に進みます。全部で(36)つまり36シーンあります。
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○執筆の狙い
初めましてのかたも、お久しぶりですのかたも、こんにちは。浦戸です。
私の目標は「字で読むマンガ」です。コミカルなタッチで、楽しく読めるものが書けているでしょうか。
最後まで読んでくださったかたにうかがいたいのは2つです。
1、どこかで読んだような筋立てでしたか?
2、どこかで見たようなキャラクターでしたか?
というのも、どうやら、私は一般的ななんとか、というのが、わかっていないようなのです。ですから、よく見かける、ありふれた話を、どこかで見たようなキャラクターを使って書いてみました。
思惑通り書けているかどうかが知りたいのです。
こんなの一般的じゃないというところがありましたら、ぜひ教えてください。
途中まで読んでくださったかたにうかがいたいのは1つです。
何番まで読まれましたか?
先を読みたくなるような仕掛けをしているつもりですので、どの仕掛けが効かなかったのか確認したいのです。
お手数ですが、シーン数を教えてください。
そのほか、何かお気づきになったことがございましたら、なんでもけっこうですので、ご教授ください。
本作は「発端、展開、葛藤、クライマックス、大団円」という構成になっています。
「潰れそうな演劇部が再起するまで」のストーリーを軸にして、「自分と違う意識を持っている人と分かり合えると楽しい」というテーマを盛り込んでいます。
1が発端、物語の始まりです。潰れそうな演劇部を提示しています。
2〜9が展開、演劇部を建て直すための活動が始まります。
10〜30が葛藤、演劇部に新しい人が入ったことで起こる、あれこれの軋轢にからめて、他人同士が分かり合う過程で起こることを書いてあります。分かりそうで分かり合えない、分かったと思ったのに分からなくなる、分からないと思ったことが分かる、そういったことを繰り返しています。
31〜35がクライマックス、分かり合えそうになかった他人同士が分かり合い、力を合わせて公演をするところです。
36が大団円、演劇部の存続が決まります。
本筋ともテーマとも関係ないことが混ざっていたら、教えていただけるとありがたいです。客観視が不十分で自分ではよくわからないのです。
どうか、よろしくお願いします。
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あらすじ(800字)
倉崎美園が所属する演劇部は部員が規定数に足りない。教頭に廃部を申し渡される。美園は教頭と交渉し、文化祭まで猶予をもらう。部員数の確保、文化祭での観客動員が存続の条件だ。
美園はほかの部員とも相談し、人数を増やすため西宮まみが代表の衣装同好会を丸ごと抱え込む。美園はきちんとやることを優先し、仲間の気持ちは二の次だ。一方まみは楽しくやることを優先し、仲間の感情を大切にする。二人は意見が食い違う。
美園はまみの態度に不満があるが我慢する。文化祭直前になって、部員たちが仲間のためにほかの仕事に駆り出されることになり、不満が爆発する。美園とまみはケンカののち、話し合い、お互いを理解し合う。ほかの仕事は終了。部員たちは公演に間に合う。公演は成功し、部員たちは舞台の魅力を理解する。
教頭が存続を認め、美園とまみは協力し合って演劇部を続けていくことにする。
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今、読み返すと、イミフ(意味不明)なところもありますが、あえて原文のママ出してます。(ええ、とっても、恥ずかしいです)
執筆の狙いは「500字」という制限があったので、書ききれなくて、本文の一番最後に載せました。そうすると「執筆の狙い」のリンクで飛んだあと、少し上にスクロールすれば見られるので。
このときいただいた感想は、のべで31です。感想人の方と話し込んだので、同じ方が何度か来てくださいました。
わかりにくいと思いますが、私が書き込んだ「ウリ」は二か所です。
「コミカルタッチで楽しく読める物を書いた」
「先が読みたくなるような仕掛けをしながら書いた」
いただいた感想によると、うまく機能しなかったみたいなんですが……。
うまく機能したかどうかを知ることが大事なので。
書き直して、機能するように出来ればいいわけで。
が、がんばります。
と、自作のこととなると私も冷静さを欠いたりしますが。
むやみにケンカしないコツは、即答しないことです。
一見して頭に来るような感想があっても、3日から1週間置いてみれば、ごくごく普通の感想だったり、有意義な感想だったり、いろいろ感じ方が変わっていたりします。
やはり、投稿サイトに出したばかりのときというのは、緊張しているんですよね。構えているというか、なんでもない言葉に引っ掛かったりしてしまうんです。
「ウリ」を書くのは怖いという気持ちはわかりますが、勇気を出して書いてみてはいかがでしょう。
以上です。
※2008年4月11日修正
作品へのリンクがわかりにくいようなので、下記のように書き直しました。
私が投稿サイトに「拍手の向こう側」を出したときの「執筆の狙い」です。
↓
「『拍手の向こう側』はhttp://d.hatena.ne.jp/bokoshu/20070224/1172328001に(1)があります。一番下にある>のリンクを押していただければ、次の(2)に進みます。全部で(36)つまり36シーンあります。