矢車通り~オリジナル小説~

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俳劇

 時は夜 季節は夏 舞台には苔むした石垣に囲まれた池
 芭蕉登場 扇子を使いながらしばし名目
 其処へ蛙がのそのそ現れる
 蛙は芭蕉の顔をさも胡散臭げに見上げ其の侭池へドボーン
 芭蕉は思わず膝を叩いて叫ぶ 出来た―
 池の畔の柳の木に苫っていた夜烏がそれを見て思わず鳴く 阿呆