2012-03-29 俳劇 唐司郎 掌編 時は夜 季節は夏 舞台には苔むした石垣に囲まれた池 芭蕉登場 扇子を使いながらしばし名目 其処へ蛙がのそのそ現れる 蛙は芭蕉の顔をさも胡散臭げに見上げ其の侭池へドボーン 芭蕉は思わず膝を叩いて叫ぶ 出来た― 池の畔の柳の木に苫っていた夜烏がそれを見て思わず鳴く 阿呆