2012-05-15 五月雨女 唐司郎 掌編 彼方待つのになかなか来ない。 傘が緑に染まっても、愛する人は姿を見せぬ。 ああ、からだが燃える。 雨が木の葉にあたる音。 いくら濡れてもこのねつ(情熱)を冷やしてくれる筈がない。 恋の風邪にかかってしまった。 てへっ、又つまらぬものをつくってしまった。