矢車通り~オリジナル小説~

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五月雨女 

彼方待つのになかなか来ない。
 傘が緑に染まっても、愛する人は姿を見せぬ。
 ああ、からだが燃える。
 雨が木の葉にあたる音。
 いくら濡れてもこのねつ(情熱)を冷やしてくれる筈がない。
 恋の風邪にかかってしまった。
 
 てへっ、又つまらぬものをつくってしまった。