矢車通り~オリジナル小説~

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鉄の女

目の前にヌードの女がいる。
クッションの上に正座し、ネックレスを着けている。
つやつやとした肌、形の良い乳房。
でも彼女は黙った儘だ。
上の飾り棚から仏像たちが、見下ろしてほほえんでいる。
嗚呼、ブロンズの彼女は歓喜仏に抱かれ、陶酔の極みに達した女に嫉妬しているのか。

俗物の妄想。