2009-06-11 小人間居して善行をなす 掌編 唐司郎 男は雑踏の中をナイフを隠し持って歩く。 どいつでもいい。殺ってやる。 俺を人として認めない社会に復讐するためだ。 しかし殺となるとてきとうな奴がいない。 老人は早く極楽へ送ってやるだけだ。 若者は、あんな軽薄な奴らを作った俺達団塊を閻魔が、腹を抱えて笑うだろう。 悩んだ末に男はナイフを振りかざし、裕福そうなアルマーニを着たヤッピーを刺した。 そのヤッピーは汚職代議士ヲ弁護していた。