2009-06-04 三猿の事 掌編 唐司郎 どこかの山に猿の兄弟がいました。 上の兄貴は欲張りでした。 中の弟は乱暴でした。 末っ子は阿呆でした。 良いところのない猿でした。 それでも神様は哀れんで、どこかの救われない国の教訓にと、お宮へ送りこみました。 しかし教訓になるどころか。その国はますます疲弊してゆくばかりです。