中編
「我らに何をさせる気じゃ」 時光が憮然とした表情で聞いた。 「なあに、それほど難しい芸当は要求はしないよ。私が合図したらいかにも悪役面で、おまささんをあの百姓家の方へ追い掛けておくれ」 「おいおい、そんなことをしたら、我らが立て篭もっている連…
「おおい。撃つな」 それは二十世紀後半のアメリカ英語に聞こえた。 「はて、どうしてこんな所にヤンキーが現れるんだい」 メリーはそう呟いてその二人を眺めた。二人は同じモスブリーンの繋ぎを着ていた。だが体躯は正反対であった。ちょうどバットとビヤダ…
相変わらず宇宙船は地球の周囲を回って居た。 その中では、例のとぼけた三人の宇宙学生が、今度はどの時代でいたずらをしようかと、相談をしていた。 「おい、あの爺さんをからかってから大分経つな。 退屈になってきた。そろそろ次の目標を決めようじゃあないか…
オバサンは檀家の寄り合いで大見栄を切った以上放ってもおけず。普段より早起きして法正寺に上った。寺はH村落の北側に在る小高い山の中腹にあった。平安時代からの古刹と聞いて居るが、何度も焼失して今の建物は、江戸末期のものを改築してもたせているら…
アイボのケツがインターネットのオークションで、的屋の親分のところから転売された先は弩田舎であった。 田舎はのんびりして良いと思ったのだが飛んでもない。ここも人間のしがらみで、てんやわんやの大騒ぎをやっていた。 ケツの新しい持ち主は、田中真紀…